- 染織
紬織着物「薄月」
- 青山 直子
- あおやまなおこ
- 第33回東海伝統工芸展(平成14年度)
愛知県知事賞
- 技法紬織
- 受賞総評着物という形の上で展開する連続模様の美しさ。ゆったりとしたグラデーションの経縞に、よく計算された緯絣を配することによって複雑な織色の文様が生まれ、縦横斜めへと無限に広がってゆく様は、絣織文様独自の世界であり魅力でもある。
一織り一織り丁寧に緯絣を少しずつずらしながら織るっことによってできる曲線は、観る者に柔らかな印象と心地よいリズム感を与える。
色彩を極力抑えた中でほのかな黄色からは、ぼんやりと霞んだ春の夜の月のイメージが膨らみ、作者の濃やかな感性が想像できる秀作である。