- 陶芸
堆磁鉢
- ついじばち
- 神農 巌
- しんのういわお
- 第56回日本伝統工芸展(平成21年度)
朝日新聞社賞
- 受賞総評轆轤成形で作り出した比較的大ぶりな鉢にレリーフ状の直線文を作り出している。ボディーは底面から膨らみいったん窪みを作って口縁に向けて広がる、豊かな抑揚をもった 堂々たるものである。レリーフ状の直線は堆磁技法による。「堆」とは積み重ねること。「堆磁」は磁器土を盛り上げるほどの意味である。この場合は土そのものを積み重ね、あるいは貼り付けるのではなく、泥漿にして筆で繰り返し塗り重ねている。土成形では線が往々にして曲がってしまうが、この技法だとピシッとした直線が得られる。それが形の爽快感と相まって新鮮な感覚を与えている。 (金子賢治)