- 諸工芸
省胎七宝「水光」
- しょうたいしっぽう「すいこう」
- 松本 三千子
- まつもとみちこ
- 第55回日本伝統工芸中国展(平成24年度)
金重陶陽賞(特別賞)
- 技法省胎七宝
- 受賞総評宍道湖の夏の風物詩である水郷祭で打ち上げられた花火を意匠して「水光」と題した。七宝は、ガラス質の釉薬を焼き付ける技法で、黒色の釉で夜空を表し、円形や三角形の花火は緑と白の釉で、湖面を緑の釉で表現した。省胎七宝は、金属素地を取り除いて釉薬と有線のみを残す技法であるため、ガラス質にヒビが入り易い。そのために模様は規則的で同間隔の有線になりやすいが、作者は敢えて複雑な表現を試みた。透明な釉と銀線の輝きが美しく、覆輪も七宝釉と上手く調和している。(内田篤呉)