- 漆芸
蒔絵漆箱「春」
- 中條 伊穗理
- なかじょう いおり
- 第26回日本伝統工芸近畿展(平成9年度)
日本工芸会近畿支部奨励賞
- 技法蒔絵
- 受賞総評丁度掌に納まる、ゆるやかな胴張りのある箱で、木地は1ミリメートルの桧の薄板を4枚貼り重ね角で折曲げて側板を作り、甲板と底板には桧材を嵌め込んだ構造となっている。蓋の甲面には定家かずらの花を白蝶会の螺鈿で表わし、全面に銀平目粉を蒔き詰めた地にうるみ色のシルエットで葉を表現する。側面は金平目粉の横縞文様で水のイメージを表わしている。やわらかな器形と平目粉を用いた蒔絵が女性らしいやさしさを生み出している。