- 陶芸
丹波土部釉彩平鉢
- たんばどべゆうさいひらはち
- 市野 元和
- いちの げんわ
- 第38回日本伝統工芸展(平成3年度)
高松宮記念賞
- 受賞総評中世古窯の伝統をもつ兵庫県の丹波立杭窯では、近世初期以来、「赤ドベ」といって鉄分を多く含んだ泥釉が、壷や徳利などに用いられて来た。その赤土部釉を平鉢の中央に丸く表わし、その周囲と裏面にかけて失透性の白釉を配した物である。仕上げの還元焼成によって、赤ドベの赤褐色と深みのある白釉とのコントラストが強調され、古丹波の重厚な雰囲気を、現代の感覚と入念技術によって生かした優作である。