- 染織
首里花倉織着物「薄暮の情景」
- しゅりはなくらおりきもの「はくぼのじょうけい」
- 伊藤 峯子
- いとうみねこ
- 第40回日本伝統工芸展(平成5年度)
高松宮記念賞
- 受賞総評誠に清々しく、品のよい作品である。首里はその昔、琉球王朝の都として栄えた地で王府御用の染織品が主として製作されていた。花倉織はその代表的な織物の一つであり、王家のほかは着用を許されなかったという。経に生絹(すずし)の糸を用い、絽の目を交えた涼やかな風韻は、かつての王府の雅(みやび)な趣を思わせ、目だたない程の黄と藍の細縞を加えた配色に南島の薄暮の情趣が汲み取れる優作である。