- 染織
佐賀錦帯「波の色」
- さがにしきおび「なみのいろ」
- 松野 汀留子
- まつの てるこ
- 第33回日本伝統工芸展(昭和61年度)
日本工芸会奨励賞
- 技法佐賀錦
- 受賞総評佐賀錦は素材の制約と技術的なむずかしさ、手間のかかることから袋物など小品が製作されることが多いが、このように帯を制作することは容易ではない。作者は朝夕に変化する波をテーマに取り上げ、経に濃紺の漆箔と、緯に白、金、淡紅、淡藍を配し、組織や素材の太さに変化を求め、波の輝き、動き、立体感を表わすことに成功している。作者の旺盛な意欲と、永年の熟練とがあいまった優品である。