- 漆芸
切絵文冊子箱「花筐」
- きりえもんさっしばこ「はながたみ」
- 根本 曠子
- ねもとひろこ
- 第55回日本伝統工芸展(平成20年度)
日本工芸会奨励賞
- 受賞総評薄く丈夫な楮和紙を用い、クレマチスの四弁花を二種の切絵にし、交互に180枚を貼り合わせて文様とし、花芯の金平文と菱形の貝が韻律を作っている。花の紫色や弁柄色といった彩漆や塗りの諧調、擦り込まれた金粉の加減も程よく簡明であり、面取りの平の箱形と文様とが巧妙にきりっと構成されている。作者独創の切絵の手法も漆塗りの工程も実に丹念な、根気を要する作業ながら、身辺の自然を愛でる穏やかな心情こそが心地よい。 (諸山正則)