- 漆芸
蒔絵箱「揺」
- まきえばこ「よう」
- 向井 武志
- むかい たけし
- 第45回日本伝統工芸展(平成10年度)
日本工芸会奨励賞
- 技法蒔絵
- 受賞総評黒漆の地による空間を大きく取った構図の作品である。 金板金をはじめ金、銀、青金などの平目、青く輝くあわび貝の小片、 卵殻等により表される文様は、水面のさざなみとも空気のゆらめきとも、あるいは 遠い街の点滅する灯火とも見えて、輝き、揺れ動く。 漆黒の中から、ほのかに浮かび上がる抽象的な文様は、 このところ試みている作者の心象風景というが、消え去るでもなく、 強く主張するでもない、ゆらめく光の流れは印象的である。