• 漆芸
  • 乾漆蒟醤箱「爽籟」

  • かんしつきんまばこ「そうらい」
  • 藪内 江美
  • やぶうち えみ
  • 第28回日本伝統漆芸展(平成22年度)
    文化庁長官賞
  • 技法
    乾漆、蒟醤
  • 受賞総評
    上面の左右が曲線を描く箱を乾漆で造り、風に揺れる木立の意匠を蓋表にあらわした作品である。草木を黒、背景を白としたのは、眼差しの向こう側にある光を表現したいとの想いから。天板の雲の流れる青空は蓋の下部に向かって陰り、夕暮れを迎える時間の経過を感じさせる。黒い草木の輪郭に見える僅かな灰色には、風を受けた草木の表情を強調する意図を込めた。俳諧の季語にある「爽籟」。秋風の音、爽やかな風の響きが聞こえてくる。(記山崎剛)
  1. 公益社団法人 日本工芸会