- 諸工芸
翔稜硯
- しょうりょうけん
- 雨宮 彌太郎
- あめみや やたろう
- 第52回東日本伝統工芸展(平成24年度)
日本工芸会賞
- 受賞総評中央に楕円形の墨道と硯池をつくり、その両側を薄く削り出して、あたかも翼を拡げたような形状の硯を完成させ、「翔稜硯」と名付けた。極薄造の硯は、作者が近年に取り組んできたテーマで、硯の持つ重厚感と安定感を失わずに現代的な造形感覚を創造し、その完成を示す。硯とは墨を擦るだけの道具ではなく、自然と感応し心を鎮めるもので、作者にとって新しい彫刻であり、自身の心と向き合うためのオブジェでもある。雨畑石、手彫り、漆塗り艶消し仕上げである。(内田篤呉)