受賞総評

建物や樹木等の心象風景をモチーフとしてデザインされた蓋物です。淡い色調にまとめられた釉薬と銀色の対比が美しく、抽象化された文様が新鮮な効果をあげています。又内部は明るいクリーム地に「金箔」が施されており、広がりのある空間を感じさせる配慮もされています。銀線の片側に「銀粉」、「銀泥」を使い銀線に様々な表情を表す技法は、作者の長年研究するところであり、独特の世界を作り上げています。新しい表現方法を追及する作者の姿勢に好感が持たれます。