• 陶芸
  • 草花紋鉢

  • 池戸みかる
  • 第26回東海伝統工芸展(平成7年度)
    丸栄賞(東海伝統奨励賞)
  • 受賞総評
    自然のなかにモチーフをもとめ、これを厳しく見つめて描写し、構成して「鉄絵」で表現された作品で、陶芸を志す若い作者の、素直な気心と一生懸命さが、心地よく伝わってくる佳作です。
    普通の土で普通の形を作り、普通の顔料・釉薬を用い、普通に焼成して、自ら作品を創る。
    これこそ陶芸の基礎であり、また陶芸の奥義と言えましょう。苦し紛れに「技法」を追い求めすぎる作家が多い中、陶芸の最も基礎となる「鉄絵」で、これだけ多くの色彩を暗示して、これだけ内容のある作品が制作できることを、我々は謙虚に認め、教わらなくてはならないと思います。
    作者には、今回の評価が何であったかを充分に理解し、これを自らのものとすべく、追求を重ねて進展されんことを期待します。
  1. 公益社団法人 日本工芸会