• 染織
  • 紬織着物「春愁」

  • 伊藤 恭子
  • いとうきょうこ
  • 第31回東海伝統工芸展(平成12年度)
    愛知県教育委員会賞
  • 技法
    紬織
  • 受賞総評
    喩えるなら、弦楽八重奏。交響曲でもなく、独奏楽器が際立つ協奏曲でもない、同質の音の、やわらかくゆたかな重なりを連想させる作品です。「蝋梅の葉」や「白山吹の葉」で染めた緑色の濃淡を中心に、中間色を積み重ねて構成した文様は、一般的な絣のイメージとは別の趣を呈しています。菱形と六角形の組合せという幾何学模様を、『色糸のハーモニーを楽しみながら』、絵を描くように織り上げています。それは12色のクレヨンでは表現できない情景、500色のパステルの中から選んだ色で情感ゆたかに画いた、萌え出づる春。
  1. 公益社団法人 日本工芸会