- 漆芸
沈金八角箱「秋果」
- ちんきんはちかくばこ「しゅうか」
- 水谷内 修
- みずやちおさむ
- 第28回日本伝統漆芸展(平成22年度)
MOA美術館賞
- 技法沈金
- 受賞総評八角形被蓋造りの箱に秋の風物である干し柿の意匠をあらわした作品。黒漆塗りの部分と金の消粉を蒔いて透けた朱合漆を塗る部分に地色を分け、黒漆塗りの地に沈金を施し、干し柿を吊す紐には銀、実には色粉で色付けからして金を詰めた。蓋表の地の色を分ける輪郭線や身の内側の色もまた柿のイメージに重なる。各面にリズム感よく配置されたモチーフ、光のあたり方によって微妙に変化する地色と沈金の色調。繊細な感覚がとても心地よい。(記山崎剛)