• 漆芸
  • 神代欅造短冊箱

  • 中村 俊平
  • なかむらしゅんぺい
  • 第34回東海伝統工芸展(平成15年度)
    愛知県教育委員会賞
  • 受賞総評
    鳥海山の噴火により二千年もの間地中で眠っていた神代欅を、ノミや小鉋で刳り出し、
    素材の風合いを生かすようイボタ蝋で仕上げています。
    刳り物ならではの緩やかな甲盛りと稜線が、杢理の美しさをいっそう引き出しています。
    一見、無造作に思われる両端の処理ですが、微かにそれとわかる曲面が心地よい緊張感を与えています。
    杢理の美しい神代欅ゆえに、刳り物での仕上げは困難を極めますが、見事に仕上げられており、
    作者の優れた技量がうかがえます。
    造形の自由さに溺れることなく素材の中に潜む美を引き出そうとする真摯な姿勢が、
    作者の品位となって現れている優品です。
  1. 公益社団法人 日本工芸会