受賞総評

積層による木地造りの段階で100パーセントといってよいほど形が決まりますが、作者の制作意図そのものに大きさ、高さ、円弧を描く辺もゆったりとしていてよい形にまとまっています。木地造りの後布着せをし、下地付けを何度も行いその都度形の微妙な調整をしていきます。その後蒟まの加飾が出きる状態になるまで幾重にも漆を塗り重ねた丹念な仕事です。作者はここ数年砂糖を使った変り塗と蒟ま技法の組み合わせによる表現方法で作品の発表を続けており、今回の盤も成功しています。朱と金が中心部分を華やかに彩り黒とのコントラストが大変綺麗に仕上がっています。