- 漆芸
螺鈿漆箱「秋」
- らでんうるしばこ「あき」
- 中條 伊穗理
- なかじょう いおり
- 第29回日本伝統漆芸展(平成23年度)
朝日新聞社賞
- 技法螺鈿
- 受賞総評ほぼ正方形の箱で、カボチャの模様を螺鈿で表している。蓋表の微かな甲盛り、身の地付き部分の処理など、形も細かく工夫している。蓋表のカボチャ群生は、主に夜光貝によっているが、カボチャそのものは鼈甲の透明部分により、伏せ彩色を施す。側面はカボチャの花の雌花と雄花を描き分け、そこにクサキリを配す。中世蒔絵や江戸初期の五十嵐派を思わせる秋景スタイルをベースに現代性を加味した確固たる作品である。(記:金子賢治)