受賞総評

内側と裏は網代で編まれているが、内側の網代は網代編と桝網代編を交互に編み分けて文様を編み出している。この作品は縁の上部の立ち上げと高台の透かしの線が軽ろやかな作りで、竹の特質が存分に生かされている。従来の技法を踏まえながらも新鮮な感じが伝わり、漆の艶も穏やかで格調の高い作風となり、作者の感性の高さが生み出した優品である。（勝城蒼鳳）