- 染織
刺繍着物「陟る」
- ししゅうきもの「のぼる」
- 武部 由紀子
- たけべ ゆきこ
- 第43回日本伝統工芸染織展(平成21年度)
文化庁長官賞
- 技法刺繍
- 受賞総評「陟」とあるからには裾から襟に向けて登っていくということであろう。その一歩一歩の歩みは細かく確実に作られ、その幾何学的諧調は心地よい。なにか寺院の長大な石段の様式化に見えて、しかしもっと静謐な精神の表現のようである。ある日、ある時期の階段の記憶とそこから起きてくる作者の精神的なものとの融合、言い換えると心象風景なのである。そしてその心象風景は何より色感が美しい。(金子賢治)