- 染織
花倉織着物「黒潮」
- はなくらおりきもの「くろしお」
- 鳥巣 水子
- とりすみずこ
- 第30回日本伝統工芸展(昭和58年度)
NHK会長賞
- 受賞総評かって、沖縄の花倉織は、伝承の絶えた幻の織物とされていたが、三年程前、作者は、民芸館で唯一の現存する藍の花倉織を初見してより、透しの比類ない美しさに打たれ、様々の試作研究を経て、今回の出品になったと聞く。絽と花織が、平織の中に市松風に配置され、各々異った組織のため、糸使い、風合に格別の配慮がなされる。かつて、琉球王朝の子女が被衣(かつぎ)として透しの美を存分に発揮したであろう典雅な姿が彷佛とする優品である。