- 木竹工
欅拭漆盛器
- けやきふきうるしもりき
- 藤井 慎介
- ふじい しんすけ
- 第43回東海伝統工芸展(平成24年度)
岐阜県教育委員会賞
- 受賞総評シンメトリーにつくり出された刳物の作品が多い中で、アシメトリーによる優美な姿を強く印象づける盛器である。連続した曲面の構成ではなく、あえて面を立ち上げるようにして形をつくり込むことで、木目の連なりに変化が生じ、形や動きをより強調する働きが生まれている。作者は、砂漠や砂でできた風紋から着想を得たというが、木という素材とそこに現れている木目をどう自身のイメージする形と結びつけるのか、そのせめぎ合いが斬新な形を生み出したといえよう。(唐澤昌宏)