• 漆芸
  • 縄胎朱塗食籠

  • じょうたいしゅぬりじきろう
  • 西岡 春雪
  • にしおか しゅんせつ
  • 第48回日本伝統工芸展(平成13年度)
    朝日新聞社賞
  • 受賞総評
    奈良時代に盛行した乾漆技法と、正倉院宝物中にもみられる巻胎漆器の伝統を踏襲、 両者を併用して成形したのち、黒と朱二色の漆を乾布して仕上げた印籠蓋造の食籠。 巻胎の素材はさまざまであるが、この場合は木綿紐(縄)を渦巻状に巻き、 乾漆でしつらえた素地に貼りつけているのが特徴的である。 飯粒を糊状につぶし、漆と混ぜ合わせて接着剤とするが、これも強靱で堅牢な 器胎の造作にも役立っている。太紐と細紐を交互に配してあらわした渦巻文は、 同心円を描きながら水面に広がっていく波紋にヒントを得たという。 茶の湯釜を感じさせる作品である。
  1. 公益社団法人 日本工芸会