- 漆芸
蒟醤箱「Roses」
- きんまはこ「ろーぜす」
- 松本 法子
- まつもとのりこ
- 第27回日本伝統漆芸展(平成21年度)
林原共済会備中漆賞
- 技法蒟醤
- 受賞総評江戸後期に香川の地で蒟醤が花開いた。以来各時代の漆芸家により様々な表現法が生みだされ進化してきたと言えよう。この作品もその進化の一環であろうか。角のない丸い側面に満開の薔薇、甲面にはこぼれ落ちた花びら、緻密な点彫と彩漆のグラデーションにより奥行きと広がりを巧みに表現している。真珠などの細やかなあしらいも女性ならではの感性で花に生命感が感じられ、どこか花園を散策しているような心温まる作品である。(記山下義人)