- 漆芸
彩切貝蒔絵箱「九月のフィレンツェ」PonteVecchio
- いろきりがいまきえはこ「くがつのふぃれんつぇ」-ぽんてヴぇっきお-
- 三好 かがり
- みよし かがり
- 第25回日本伝統漆芸展(平成19年度)
MOA美術館賞
- 技法蒔絵
- 受賞総評フィレンツェのアルノ川に14世紀の「ポンテ・ヴェッキオ(古い橋)」がのこっている。「家付き橋」と称され、橋の上に商店街が展開する。三好の螺鈿は、貝片の裏に伏彩色を施すもので、彩切貝と称される。色は貝の透光性によって表に透き出て、控えめでソフトな色感を作り出す。ここでは主に蝶貝に銀箔を裏打ちして建物を表し、屋根や橋桁は伏彩色のない貝そのものが光っている。その幻想的な姿が、逆にリアルな存在感を醸し出す。(記金子賢治)