• 木竹工
  • 栃拭漆方形盛器

  • とちふきうるしほうけいもりき
  • 渡邉 岳司
  • わたなべ たけし
  • 第40回東海伝統工芸展(平成21年度)
    NHK名古屋放送局長賞
  • 受賞総評
    刳物は日本の縄文時代から伝わる伝統的な技術で、接合部がないことで壊れにくく永代使用に耐えることが出来ます。ノミなどで荒彫りをして狂いを出し、そのあとで彫刻刀や色々な小鉋を使って仕上げます。彫刻的な要素が入った自由な形状が創出可能です。この作品の使用材は栃です。この材は大木が多く、その理由は古代より栃の実を食料にしていたため伐採することが少なかったためです。自重で樹内にシワが出来ます。削り出しますと虎斑と呼ばれる紋様が出ます。生漆を染み込ませ、研ぎ出し、拭漆で仕上げます。作者はこの道十年近くなり、刳物の本質を掴み取る境地に達した感があります。大きさや素材の活かし方、勾台と立ち上がりの形状など絶妙なバランスが取れたシンプルで優れた作品です。
  1. 公益社団法人 日本工芸会