• 木竹工
  • 黒檀造拭漆盛皿

  • 河野 行宏
  • こうのゆきひろ
  • 第29回西部伝統工芸展(平成6年度)
    朝日新聞社金賞
  • 受賞総評
    黒釉を挽物で成形した大ぶりな作品である。周縁部には筋挽きで装飾を施し、単調さを救っている。また、見込みには白い部分が表れている。これは素材を挽いている間に偶然出て来たものというが、自然の巧まない装飾となっている。側面には筋挽き等により、控えめな文様をつけて、器形を引き締めるなど細やかな配慮をしている。
    挽物特有の素直な形だが、細部までしっかり作っているため、張りのある力を感じさせ、仕上げの拭漆も丁寧な仕事をしている。素材の魅力を十分に生かしており、今回の出品作品のなかでも、ひときわ爽やかさと気品を感じさせる作品となっている。
  1. 公益社団法人 日本工芸会