• 漆芸
  • 蒔絵螺鈿箱「くくみらの花」

  • 中條 伊穗理
  • なかじょう いおり
  • 第17回日本伝統漆芸展(平成11年度)
    朝日新聞社賞
  • 技法
    蒔絵、螺鈿
  • 受賞総評
    素地は1ミリの檜の薄板を2枚積層した側板に甲板と座板を嵌め込んだ構造で出来ている。初夏に咲くニラ(万葉名久君美良・くくみら)の小花を放射状の円形に白蝶貝の厚貝螺鈿で表わし、水の流れを想わせる線文様を平目粉の研出蒔絵で描く。長側面は平目粉に青金粉を蒔詰めた青金地に仕上げる。丁度、掌の中に納まる大きさと、簡潔で密度の高い構成の中に可憐な螺鈿の花が初夏の爽やかさを感じさせる佳品である。
  1. 公益社団法人 日本工芸会