技法

桐塑人形、紙貼り

受賞総評

数年前の日本伝統工芸展受賞作品では、疾駆するだんじり（山車）の上で躍動する若衆の威勢を表して清新な印象を残した。本作品では、東京・浅草の三社祭の情景で、たくましい祭り姿の若衆が緊張を解きふっくりとして眠る幼な子を抱く父子像とし、実に対照的な祭りとともに生きる人情味を情感たっぷりに表している。大阪に住むこの作者は東京での異質な感動を自らの主題とし、巧みに構想して、自身の作行きのまま確かな描写と造形の力量を明らかにしている。（諸山正則）