- 木竹工
栃拭漆箱
- とちふきうるしはこ
- 渡邉 岳司
- わたなべ たけし
- 第41回東海伝統工芸展(平成22年度)
静岡県教育委員会教育長賞
- 受賞総評虎杢と呼ばれる栃の木塊を、ノミや豆カンナで削りだし、印籠蓋の箱に仕上げています。何度も漆を摺り込んでは拭き取る「拭漆」によって、杢理がいっそう美しく現れています。力強い甲盛りは、これ以上強くすると品位を失う極限を見きわめており、作者の造形感覚の確かさが窺われます。シンプルな形態ですが、作者の感性と丹念な仕事が、素材の生命力を引きだした存在感のある優品です。