- 染織
貝紫染紬織着物「臨」
- かいむらさきぞめつむぎおりきもの「りん」
- 稲垣 有里
- 第42回東海伝統工芸展(平成23年度)
東海伝統奨励賞(岐阜高島屋賞)
- 技法紬織
- 受賞総評貝紫染は、生きたアカニシ貝を大量に使い貝のほんの一部であるパープル腺から得られる紫色の染めです。作者は、貝紫の不思議さに魅せられ、強い紫を染める研究をし、「命と色」に対して、ギリギリのところまで勝負しました。コチニールのグレーと玉葱のオレンジを一筋。次第に白に近いベージュに、同一の縞立てでありながら変化を感じさせます。八段階に染め分けた紫が等間隔であることで効果を醸し出し、新鮮で秀逸な作品を生み出しました。長年、様々な「染織」に取り組んできた成果が、作品「臨」により実を結びました。今後が期待される若手作家です。