「鍛金」伝承者養成技術研修会(2009 - 2010 年)

奥山峰石先生による重要無形文化財
「鍛金」の研修会

講師紹介

  • 奥山 峰石
  • おくやま ほうせき
  • 重要無形文化財「鍛金」保持者

<研修会について> 今回の研修会には、6名の研修生が参加致しました、工房の広さ、鍛金という仕事の音の問題もあり、二組に分かれて一期、二期と2週間ずつ行いました。それぞれ教わってきた事に違いもあり、まず2週間でどれだけの事が教えられるかを考え、私の鍛金の基本を教える事にしました。伝統工芸には一番大切だと考えている細部の道具の使い方や仕上げの仕方などを覚えていただけたと思っております。6名の皆さんが良い作品を作り次世代にまで技術を継承される事を願っております。

研修会映像記録(ダイジェスト)

本編は約30分。DVD(4,400円)またはBlu-ray(6,600円)にて頒布中です。
詳細は、日本工芸会事務局までご連絡ください。
主催:公益社団法人日本工芸会(TEL:03-3828-9789)

実施概要

  • 期間
    2009年8月10日~15日、21日~26日 /
    2010年8月7日~11日、23日~28日
  • 会場
    奥山峰石自宅工房
  • 講師
    奥山峰石
  • 助手
    2名
  • 受講者
    6名

実施スケジュール

2009年8月10日(月)・8月21日(金)
  • (研修は2班・2日程に分かれて開催)
    研修の説明、打ち込み象嵌と切嵌め象嵌の選択、地金の絞り作業
2009年8月11日(火)・8月22日(土)
  • 焼鈍しと絞りの作業、均し作業
2009年8月12日(水)・8月23日(日)
  • 前日に引き続き、焼鈍しと絞りの作業、均し作業
2009年8月13日(木)・8月24日(月)
  • 全体の均し作業
2009年8月14日(金)・8月25日(火)
  • 紋金の切出し、ヤスリ掛け、ロウ付け、紋金固定
2009年8月15日(土)・8月26日(水)
  • 酸洗い、ヤスリ掛け、象嵌打ち込み作業
2010年8月7日(土)・8月23日(月)
  • (研修は2班・2日程に分かれて開催)
    木槌による打ち込み、歪み調整
2010年8月8日(日)・8月24日(火)
  • 紋金の打込みと均し
2010年8月9日(月)・8月25日(水)
  • 前日に引き続き、紋金の打込みと均し
2010年8月10日(火)・8月26日(木)
  • 研磨と全体最終均し、仕上げの下処理
2010年8月11日(水)・8月27日(金)
  • 前日に引き続き、研磨と全体最終均し、仕上げの下処理
2010年8月28日(土)
  • (最終日は2班合同)
    合同での煮色仕上げ作業、完成後講評

講師のひとこと

2年間2週間づつ、8月の暑い中、受講生の皆さんは私が嬉しくなるほど熱心に仕事に取り組んでくれました。
写真やビデオをご覧になればお分かり頂けると思いますが、仕事は勿論のこと、休憩時間や反省会の時など、お互いの話をして親睦を深め、生きていくすべを話し合い、教え合ったりしていました。
私は、作品を作って行く上で人間形成も重要なことだと考えております。人生を語り合っていくことでより深みのある作品を作れるようになることでしょう。
ただ、心配なことは、この仕事を覚えても生活が成り立って行かないことです。私が出来る事はいつでも協力させて頂きますので、皆さんも諦めずに金工にとって良い時代が来る事を信じて頑張って頂きたいと思います。