
講師紹介
- 秋山 信子
- あきやま のぶこ
- 重要無形文化財「衣裳人形」保持者
<研修会について>
古来乾漆の技法は、唐招提寺の鑑真和尚像に見られるように表現が自由で堅牢であるのに加えて、現在人形制作技法の大半を占める桐塑・張抜等の源流であることに鑑み、温故知新の気持を以って日本が誇る「漆」を素材に研修課題としました。
人形制作においては、技術の錬磨もさることながら内面的な精神の高さ、感性の豊かさが求められることに思いをいたし、今回テーマとして取り上げた聖徳太子孝養像の歴史・風土を探る見学を併せ行いました。
実施概要
- 期間2000年6月1日~3日、10月30日、31日 /
2001年4月17日~19日、11月15日、16日 - 会場1年次:ラブリーホール(大阪府河内長野市)
2年次:千代田公民館(大阪府河内長野市) - 講師秋山信子
- 助手2名
- 受講者6名
実施スケジュール
2000年6月1日(木) |
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2000年6月2日(金) |
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2000年6月3日(土) |
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2000年10月30日(月) |
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2000年10月31日(火) |
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2001年4月17日(火) |
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2001年4月18日(水) |
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2001年4月19日(木) |
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2001年11月15日(木) |
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2001年11月16日(金) |
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講師のひとこと
此の度の伝承者養成研修会は平成12、13年度の2年計画で行い、当初危惧した漆のかぶれも一喜一憂しながらも克服し、恙なく進行出来た事に安堵し受講生の熱意をひしひしと感じる時、諸先生のご指導を受けた昔日の感激と重ね合わせ、己が非力を残念に思った次第です。
この研究に先立って何を為すべきかを考えあぐねた時、苦難の末唐土から渡来された鑑真和上乾漆像が脳裏をよぎりました。桐塑・張抜等の基本となるこの技法は温故知新にも通じ又、人形制作にあたってその技術の錬磨も去る事ながら作者の人間性が其の作品に影響する事に思いを至し、課題を聖徳太子童子像に求め時代の背景、風土、精神性を共に学ぶ事にしました。近つ飛鳥の地に立ち、吹き渡る風に古代を偲び、何かの想いを心にとめて創作に励んでもらいたい思いを深くしました。車の車輪の如き、確かな技術と豊かな創造力を培って、いつの日か成果をあげられん事を期待します。