「練上手」伝承者養成技術研修会(1999 - 2000 年)

松井康成先生による重要無形文化財
「練上手」の研修会

講師紹介

  • 松井 康成
  • まつい こうせい
  • 重要無形文化財「練上手」保持者

<研修会について> 練上手は、中国の唐・宋の時代に始められたといわれている。此の度の研修会は2期に分け、前期では博物館等で史料作品を見て、これに基づいて倣古の作品を作ることにした。後期では全く新しい観点から、現代の表現として、練上手を捉えなおした作品づくりの試みがなされた。
700年も経た技術が、より現代的な陶芸として、広く世の中に見直される事を期待している。

実施概要

  • 期間
    1999年10月19日、26日~29日 /
    2000年10月23日~27日
  • 会場
    東京国立博物館(東京都台東区)、松井工房(茨城県笠間市)
  • 講師
    松井康成
  • 助手
    2名
  • 受講者
    10名

実施スケジュール

1999年10月19日(火)
  • 東京国立博物館にて磁州窯の作品を観察し、その技法を探求
1999年10月26日(火)~10月29日(金)
  • 中国唐宋時代(主に宋の磁州窯)の練上手作品の倣古的技術研修
    ・土に硅酸鉄粉末を練り込む
    ・文様の基本作り
    ・指でたたき締めて、よく密着させる
    ・石膏型にて成形する
2000年10月23日(月)~10月27日(金)
  • オリジナル作品の制作、茨城県陶芸美術館において松井先生のコーナーの見学と講義、作品の講評

講師のひとこと

平成12年10月27日、練上手伝承者養研修会は受講生10名、助手2名、聴講者1名の計13名が、前期、後期全員無事修了した。前期は練上のルーツである中国唐宋の練上作品を東京国立博物館所藏の作品を手に取って、拝見し、この磁州窯系の作品の倣古、模作品を作ることとして、胎土や鉄顔料等を研究し、焼成て見ると可成り近い作品となった。次に後期5日間は文様や器形など各自自由研究として制作、是れは乾燥から焼成迄行なったものも含め、可成り成果の上がった作品となった。練上とは何か、そして未来に生き続ける陶技の1つとしてこの講習は意義があったと思われるし、それは今後の発展によって示されるものと思っている。