「彫金」伝承者養成技術研修会(2023 - 2024 年)

桂盛仁先生による重要無形文化財
「彫金」の研修会

講師紹介

  • 桂 盛仁
  • かつら もりひと
  • 重要無形文化財「彫金」保持者

<研修会について> 刀装具技法の彫金は明治以後男女の装身具へと移り、現在は帯留金具が主流になっている。この研修会では帯留金具制作の基本を学んで貰った。題材は金魚、装飾技法は被金(きせがね)象嵌、置金(おきがね)象嵌、平象嵌を行う事とし、問題は造形作り、つまり肉付け又は肉取りは成形する上で一番重要な工程の一部で、肉付け次第で良い姿になるか否か、出来上がりに繋がる。又装飾技法も多々方法があり仔細に指導した。
研修生の努力は今後の自作品向上と他作品観賞眼に役立てて欲しいと望む。

実施概要

  • 期間
    2023年9月18日(月)~23日(土) 6日間 /
    2024年9月30日(月)~10月5日(土) 6日間、2024年10月21日(月)~23日(水) 補講
  • 会場
    桂盛仁工房(東京都練馬区)
  • 講師
    桂盛仁
  • 助手
    1名
  • 受講者
    5名

実施スケジュール

2023年9月18日(月)
  • 午前 三越の伝統工芸展見学(11時~)
    午後 金具 高肉打ち出し研修「金魚」
2023年9月19日(火)
  • 写した図案の象嵌部分、赤(銅)金(黄色)黒(赤銅)と着彩する。
    粘土で実寸大の立体原型を制作する。
2023年9月20日(水)
  • 粘土原型制作
2023年9月21日(木)
  • 打ち出し
2023年9月22日(金)
  • 打ち出し、肉どり
2023年9月23日(土)
  • 打ち出し、肉どり
2024年9月30日(月)
  • 金具 高肉打ち出し研修「金魚」
2024年10月1日(火)
  • 打ち出し続き
2024年10月2日(水)
  • 着せ金、破れ補修、造形の直し
2024年10月3日(木)
  • 着せ金、破れ補修、造形の直し
2024年10月4日(金)
  • 着せ金、破れ補修、造形の直し
2024年10月5日(土)
  • 平象嵌
    (続きは各自、自宅に持ち帰っての作業)
2024年10月21日(月)
  • <補講1日目>
    象嵌続き、鑢掛け
2024年10月22日(火)
  • <補講2日目>
    磨き、仕上げ鏨を入れる
2024年10月23日(水)
  • <補講3日目>
    研磨が終わった研修生から、煮色仕上げ

講師のひとこと

数ある彫金技法の中でも約600年前に確立した刀装具の技法は現在帯留金具として受継がれている。中でも私が受け継ぐ柳川派の彫金技法を伝えることを目的とした研修とし題材は金魚を選んだ。金具は立体ではあるが具象の対象物をそのまま縮小した彫刻ではない、また箱腰を表現するような箱の上面だけ立体が表されるのも良くない、蓮の葉の上の水滴のように拵えることが重要である。それを踏まえて地金に打ち出す事が一番肝心である。
打ち出した後に色金を使い表情を出して加飾する象嵌がある。題材は同じだが自分の金魚の造形の図案書き、粘土制作と研修生それぞれの持ち味が出た。粘土原型は日にちを掛けるべきものであるが早々に地金の打ち出しに入ったものの、やはり予定が押してしまい表情を付ける細かい象嵌は各自自宅に持ち帰り仕上げとした。個性豊かな金魚が完成。
重要な造形と肉出しに時間を掛ける心構え、更に基本の象嵌技術を習得して欲しい。