
講師紹介
- 中川 衛
- なかがわ まもる
- 重要無形文化財「彫金」保持者
<研修会について> 彫金技法の中の平象嵌技法で、鋳造花器に象嵌文様をつける制作作業を、工程を追って実施した。実技の前には象嵌のはじまりや歴史、時代による盛衰、象嵌の種類、各工程の手法、道具である鏨の種類と使い方やデザイン展開の重要性を講義する。技法は象嵌に必要な基本の鏨の製作、文様罫書き、線彫り、面彫り、アリ溝たて、紋金制作、紋金打込み、研磨、煮色着色と、順を追って研修する。短期間での研修で時間が足りず、各自が家での制作、夜遅くまでの作業と、苦労がありました。
研修会映像記録(ダイジェスト)
本編は約30分。DVD(4,400円)またはBlu-ray(6,600円)にて頒布中です。
詳細は、日本工芸会事務局までご連絡ください。
主催:公益社団法人日本工芸会(TEL:03-3828-9789)
実施概要
- 期間2020年11月16日~21日 /
2021年11月15日~20日 - 会場中川衛工房(石川県金沢市)
- 講師中川衛
- 助手2名
- 受講者6名
実施スケジュール
2020年11月16日(月) |
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2020年11月17日(火) |
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2020年11月18日(水) |
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2020年11月19日(木) |
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2020年11月20日(金) |
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2020年11月21日(土) |
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2021年11月15日(月) |
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2021年11月16日(火) |
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2021年11月17日(水) |
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2021年11月18日(木) |
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2021年11月19日(金) |
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2021年11月20日(土) |
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講師のひとこと
令和2年から3年にかけて、各年6日間の日程で伝承者養成研修会を行いました。
1年目は象嵌の歴史、技法、種類、材料や今日の現状など把握してもらう講義をして作業としました。作業は道具作りとして販売されていない鏨やキサゲの制作を行いました。鏨は手に安定して持てて彫りやすい形状にしたり、刃先が堅く、また欠けにくくする焼入れ方法を行いました。私の長年の経験から得た方法を伝承してもらい、基本の鏨、五種類を仕上げました。鏨と鎚があれば何時でも何処に居ても制作が可能です。
2年目は鋳造花器に象嵌の文様をつける研修を行いました。文様割付け、象嵌工程、からヤスリ掛け、砥石あて、炭粉研摩、着色まで一連の作業を行いましたが、いずれも大変時間がかかり、6日間では仕上りは無理であることから研修者は朝7時から夜8時まえ休まず意欲的に作業を行い作品を完成させました。技法を習得するには充分に時間を取って繰り返し体験することにあります。今回の研修だけに終わらなく引き続き技術研鑽を行い、各人の作品に取り入れて新しいアイテム、表現などになるよう研究して欲しいです。
短期間の技術研修だけに終わりましたが、今後は作品制作の企画やデザイン展開方法などを考慮した研修の実施も必要と思います。