
講師紹介
- 小川 規三郎
- おがわ きさぶろう
- 重要無形文化財「献上博多織」保持者
<研修会について>
博多織は明国より入って来た織物で、初めは帯ではなく戦国時代の旗指物、陣幕、武士の袴等を織っていた。
関ヶ原の戦いの後、黒田長政公が筑前の国を徳川家より拝領、博多の街で絹織物が盛んに織られていたので五色の男帯を徳川家に献上品と定め、毎年献上していた。
明治に入って武士は公務員、軍隊、警察官等、洋装化した男性の帯を試行錯誤の末に現在の女性の博多献上帯となり、現在も織り続けております。
経糸緯糸の平織りで、経糸で模様を表現するのが特色です。
研修会映像記録(ダイジェスト)
本編は約30分。DVD(4,400円)またはBlu-ray(6,600円)にて頒布中です。
詳細は、日本工芸会事務局までご連絡ください。
主催:公益社団法人日本工芸会(TEL:03-3828-9789)
実施概要
- 期間2013年10月7日〜12日 /
2013年5月12日〜17日、26日〜31日、6月2日〜7日 - 会場小川規三郎工房(福岡市)
- 講師小川規三郎
- 助手2名
- 受講者6名
実施スケジュール
2013年10月7日(月) |
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2013年10月8日(火) |
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2013年10月9日(水) |
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2013年10月10日(木) |
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2013年10月11日(金) |
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2013年10月12日(土) |
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2013年5月12日(月) |
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2013年5月26日(月) |
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2013年6月2日(月) |
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2013年6月7日(土) |
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講師のひとこと
今回、本研修の受講者の選考に当たっては普段、紬、絣の着尺制作を行っている会員の方々を中心に選ばせていただきました。
初年度の研修では「献上博多織帯」を織り始めるまでに必要な道具作り、機仕掛け、整経などの準備工程全般を体験してもらうことと、ジャガード操作を伴う機の操作に慣れてもらうことを課題とし、次年度の研修では受講者全員が一人一本ずつの献上博多織帯を織り上げることを最終課題とした。この次年度の無理難題とも思える課題を提示したのは、献上博多織帯で最も重要な機に座って一気呵成に織り上げる、ということをぜひ受講生の方々に体験してほしいと思ったからである。当初は機の操作もままならない状態で、中には織り上げられない受講生もいるのではと思ったが、結果的には見事に全員が一本ずつの献上博多織帯を織り上げて、最終課題を達成された。一時はどうなるかと思ったが、受講生皆さんの努力と根性には心から拍手を送りたい。
この研修を通じてお伝えした技術的な部分はもちろんだが、難題を前にした時の不安や葛藤、そして織り上げた時の達成感など創作家としての純粋な心情をこれからも忘れず、ぜひ今後の創作活動に生かしていただきたい。
最後に、この研修に際し、ご尽力いただいた、脇山俊明君、瀧口涼子君始め関係各位には改めて御礼申し上げたい。