
講師紹介
- 村山 明
- むらやま あきら
- 重要無形文化財「木工芸」保持者
<研修会について>
刳物(くりもの)は、立方体の板材を刳り削る事によって造られる器物の総称をいう。
制作図法の説明のあと、平面図を見て、いかに立体に組み直すかの練習であり、全体のバランスのとり方を確認するために、第1年次には、刳物の基本である隅切盆を造った。第2年次は自由制作とし、定形の板材での、各人のイメージの具体化に注目し、平面から思い起こす立体形への移行を重視し、刳物で出来る表現の可能性を追求した。
実施概要
- 期間2011年12月4日~9日 /
2012年10月21日~27日 - 会場村山明氏自宅工房(京都、宇治)
- 講師村山明
- 助手2名
- 受講者7名
実施スケジュール
2011年12月4日(日) |
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2011年12月5日(月) |
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2011年12月6日(火) |
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2011年12月7日(水) |
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2011年12月8日(木) |
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2011年12月9日(金) |
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2012年10月21日(日) |
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2012年10月22日(月) |
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2012年10月23日(火) |
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2012年10月24日(水) |
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2012年10月25日(木) |
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2012年10月26日(金) |
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2012年10月27日(土) |
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講師のひとこと
初年度は形態の基本である「隅切盆」を制作してもらい、次年度は自由制作に移行しようと考えた。最初に製図法の説明を行い、そのまま彫りに入った。これは受講生が立体作品としての完成予想を把握していないと感じたからである。平面図を立体に変化させた時の差異を、各自に認識してもらいたい為に、敢えて製図のバランスの良否を注意せず制作に入った。
物造りは過去からの体験を通して、経験した事、想像する事、観る事(具体的なもの、具象、抽象、平面、立体を問わず)、聴く事(音楽すべて動くもののふれ合い)、触れる事、触れられる事(体験を通じてすべてを感じる事)等々が自己を通じて再現し得る立場にあると考えると、自分に表現できる巧緻な技術を持つ事は基本的な条件として精神(ふりがな:こころ)を如に表現するかに目を開けてほしい。
今、渾沌とした社会の流れの中での文化に於いて、工芸は現今の人類にとって「パンドラの箱」に閉じられ最後に残ったものを限りなく汲み出しえる手法であろう。このような大切な仕事に携われた事を一大事と思い、信念を持って制作を続けてほしい。