講師紹介

- 伊藤 赤水
- いとう せきすい
- 重要無形文化財「無名異焼」保持者
無名異焼は、江戸時代後期より佐渡金山で産出された鉱土を素材として焼き継がれてきた陶器である。今回は練上技法を用い、1年次は皿鉢、2年次は壺花入を制作した。この焼きものに佐渡島の風土歴史環境が与えた要素は大きく、島内を探訪することでその一端を垣間見、無名異をより深く理解してもらった。その上で個々の豊かな人間性のもと自由に人間らしく物作りに専念、この経験が次のステージへの足掛かりとなれば望外である。
研修会映像記録(ダイジェスト)
実施概要
- 期間2018年11月6日~11日 /
2019年11月6日~11日 - 会場新潟交通ビル
- 講師伊藤赤水
- 助手2名
- 受講者5名
実施スケジュール
- 会場準備、受講生の自己紹介、 研修会の予定の説明、道具の説明、土練り、3種類の色土の調合
- 「無名異焼」への理解促進のため、佐渡の歴史、地理について実地研修
- 色土を切る
- 切った色土を組む、組んだ色土を型に入れる、2つ目の作品の制作
- 型に入れた作品を削る、2つ目、3つ目の作品を制作
- 2つ目、3つ目の作品の制作
2018年11月6日(火) |
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2018年11月7日(水) |
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2018年11月8日(木) |
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2018年11月9日(金) |
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2018年11月10日(土) |
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2018年11月11日(日) |
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- 会場準備、1年目に制作した作品の講評、立体作品の練上制作の開始
- 1. 色土を少量ずつ混ぜグラデーション状のたたらを制作
- 2. たたらを受講生が用意した筒状の素焼き型に巻き付ける。型を抜いた後、筒状のたたらの底に平たくした土を入れる
- 3. 口の部分を形が乱れないようにすぼませる
- 4. 口の処理をし、乾燥を待つ
- 5. 乾燥後、表面を削る
- 以下、1~5の繰り返し
- 1~5を繰り返し作品制作
- 1~5を繰り返し作品制作
- 1~5を繰り返し作品制作
- 1~5を繰り返し作品制作、完成した作品を見ながら伊藤先生が講評を行い、全体を振り返りながら受講生と意見交換し、2年間の研修が終了
2019年11月6日(水) |
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2019年11月7日(木) |
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2019年11月8日(金) |
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2019年11月9日(土) |
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2019年11月10日(日) |
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2019年11月11日(月) |
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講師のひとこと
今回参加した方々は皆さん陶芸のプロでありますが、土を組んで造形するということに不慣れのようでした。
1年次に多種類の土を組み合わせるプロセスで指、手の平に働く微妙な力の強さ、その方向に戸惑い、結果多種多様なトラブルに遭遇。なかなか思いどおりの形にたどりつけなかったようです。
2年次は1年次の経験をふまえて、うまく造形できたかに見受けられました。さらに自分らしい、個性あふれる作品を志すこと、各人が住んでる風土歴史文化また自己の体験によるところをもとに新しいデザイン、造形を試みることを心がけ、リスクを恐れずがんばっていました。1年次2年次を通して、皆さん少年の目のキラキラした輝きと一生懸命さを感じました。
お世話かけました関係各位にあらためてお礼申し上げます。