
講師紹介
- 増村 紀一郎
- ますむら きいちろう
- 重要無形文化財「髹漆」保持者
<研修会について>
奈良時代、仏像制作に用いられた乾漆技法だが、漆器に使用された歴史も長い。
今回は植物を主題に「観察と形成」をテーマにした。乾漆の制作は、構想を練り、図面を引き、樹脂板と引き型を用いて粘土原型を作る、それを石膏型にする、型の上に麻布を糊漆で張り重ね器のかたちを作った。
制作には講習生一人ひとりの個性を大切に考えながら、様式化したものより、挑戦的なものづくりの実践を目的とした。
実施概要
- 期間2013年8月26日〜31日 /
2014年8月25日〜30日 - 会場木曽漆器館(長野、塩尻)
- 講師増村紀一郎
- 助手2名
- 受講者6名
実施スケジュール
2013年8月26日(月) |
|
---|---|
2013年8月27日(火) |
|
2013年8月28日(水) |
|
2013年8月29日(木) |
|
2013年8月30日(金) |
|
2013年8月31日(土) |
|
2014年8月25日(月) |
|
---|---|
2014年8月26日(火) |
|
2014年8月27日(水) |
|
2014年8月28日(木) |
|
2014年8月29日(金) |
|
2014年8月30日(土) |
|
講師のひとこと
講習生は日本工芸会の正会員で、東日本、東海、近畿、石川、中国、西部支部の出身者で当該支部の核になり将来指導者として期待できる。
助手は約30年前、父の講習会の経験がある長内洋三さんと東京芸術大学の教え子の豊平江都さんにお願いした。
場所の選定、講習生は日本の各地から集合するので、自宅・春日部である必要はなく、むしろ自然豊かで漆の匂いがする、制作するに設備が整った、材料や副資源の入手が容易などの条件を満たす長野県塩尻市の地場産業である木曽漆器産地内の施設「木曽漆器館」のアトリエを借用した。このことにより講習会期間内には産地内の事業所を訪問し木曽漆器独自の家具的な大型漆器の見学も行った。
講習会の内容、会場の周囲は緑の多い自然環境なので、乾漆制作に向いている。花や実、葉などを写生し、それから立体造形する「観察と形成」をテーマに作業を進めた。
何もないところからの己の肉体と脳を用いて形あるものを作る、大切な一句として講習生、それぞれ一人ひとりの個性を大切に考え、全員作る作品が違うことも可とした。
乾漆技法には、麻布を糊漆で貼り重ねる麻胎と麻紐を糊漆で固めた縄胎2種類があり選択自由とした。