- 染織
友禅訪問着「花野」
- 伊藤勝久
- 第32回東海伝統工芸展(平成13年度)
名古屋市教育委員会賞
- 技法友禅染
- 受賞総評初秋の花野で一面に咲き広がる紫や黄色い花にまじって、“トラノオ”や“サラシナシヨウマ”などの白く揺れる花穂が大変美しく、野を渡る初秋の風情を表現できればと言う作者の思いが今回のテーマです。
長年培われた確かな技術で、本友禅の特長である「糸目友禅彩色」の技法で取り組み、又右釉の中ほどから上前までの斜下の面に「蝋たたきぼかし」を施し、これが花文様と程よく調和して柔らかい表情を見せています。
花野で、控えめながらしなやかな花穂で真っすぐに凛と咲く花は、どこか作者の人柄を想わせます。