受賞総評

リズミカルな砂子の濃淡が左から右に金から銀へ、右から左に銀から金へと無窮動な波動として静謐な空間の呼吸となる。柔らかなカーブで切られた上部の限られた「間」に無限の広がりへの想像力を感じるのは私だけだろうか。風炉先屏風という伝統的な様式の中に、作者が造り上げた空間は現代人の疲れた心をやさしく癒してくれる。（高岡市美術館館長村上隆）