- 木竹工
五葉松拭漆十二角箱
- ごようまつふきうるしじゅうにかくばこ
- 藤川 建然
- ふじかわ けんねん
- 第55回日本伝統工芸中国展(平成24年度)
日本工芸会賞
- 受賞総評木工は、木の生命感や木肌の美しさを活かす工芸である。本作品は、杢目の面白さから木工の材にあまり用いない五葉松を使用した。五葉松は材の巾を広く取れないので、十二角形、印籠蓋の規矩の整った箱に仕上げている。蓋表の周縁に1ミリ角の黒檀とヒバ材を象嵌し、程よいアクセントを加え、板材の組合せ、杢目のバランスもよく、仕上げの拭漆は素材の美しさを引き立たせている。熟練の技が冴えた作品である。(内田篤呉)