- 染織
紬織着物「冬の朝」
- 荻原 初恵
- おぎはらはつえ
- 第34回東海伝統工芸展(平成15年度)
静岡県教育委員会教育長賞
- 技法紬織
- 受賞総評杢糸(白と黒の2色の糸を撚り合わせたもの)はとても魅力的な糸で、1・2本を
縞に添わせるだけで別の表情が現れてくる便利な糸でもあります。料理にたとえれば、
スパイスのような使われかたをしてきました。
この作品では、杢糸を9本まとめて経絣に用いた着想が、新鮮な作品を誕生させました。
絣の両脇に配した「洗朱」と「茶」が杢糸と干渉しあって、「錯視」が生まれ、不思議な感じの
四角い文様が浮かび上がってきます。作者の試みは、新しい世界を垣間見せてくれています。