- 人形
「寧楽秋月」木芯桐塑胡粉
- ならしゅうげつ
- 藤田 美智子
- ふじたみちこ
- 第21回伝統工芸人形展(平成15年度)
朝日新聞社賞
- 技法桐塑人形
- 受賞総評作者は、かつて唐僧鑑真創建の唐招提寺を訪れた時、夜空には満月が輝き、金堂内の天平仏が蝋燭に照らされており、何とも言えぬその神々しさに感動したという。その作者の心の内が、そのまま作品に映し出され、御所人形独特の胡粉仕上げの白さと柔和で古風な顔立ち、何も持たないその手の造作にも生かされ、気品のある作品に仕上がっている。形の無い想いや心の感動を、あからさまには表わさず、いかに表現するかが人形制作にとっても大切なことである。この作品はそのことに見事に成功しているといえよう。