- 漆芸
乾漆蒟醤合子「移りゆく」
- かんしつきんまごうす「うつりゆく」
- 松本 法子
- まつもとのりこ
- 第45回東日本伝統工芸展(平成17年度)
朝日新聞賞
- 技法乾漆、蒟醤
- 受賞総評晩秋の燃えるように赤く染まったもみじを眺め、その後に落葉してゆく姿を思い浮かべ、時が移ろうはかなさを秘めた紅葉の美しさをテーマにした。紅葉の淡い色調から濃い色調に至る鮮やかな色の変化を、蒟醤技法により表現した。陽の当たる部分は沈金(ちんきん)技法によりアクセントを加えている。蒟醤とは漆の塗面を刀(とう)で彫り、凹部に色漆を埋め込み平らに研いで仕上げる技法である。蒟醤と沈金の刀による点彫りの繊細な技法をたくみに生かした作品である。(室瀬和美)