- 漆芸
キュウ漆輪花線文盛器
- きゅうしつりんかせんもんもりき
- 荒川 文彦
- あらかわふみひこ
- 第24回日本伝統漆芸展(平成18年度)
文化庁長官賞
- 受賞総評檜材を、轆轤で成形し、さらにその縁を輪花形に彫刻して素地とする。下地は和紙を張り、蒔地を施した堅牢なつくりで、良質な漆で塗り上げられている。特に塗り立て仕上げに特徴的な作者の卓越した技術は、この作品に遺憾なく発揮され、縁の内側に巻かれた銀線と金の環をアクセントとして、見込みの潤色と縁の黒色とのバランスを考えた、しっとりとした漆の艶を現出させることに成功している。新世代の山中塗りの伝統を代表する秀作である。(記林曉)