技法

象嵌

受賞総評

縦長のすっきりとした器形に、大胆に葉のデザインを配した佳作である。銀の素地に、打ち込み象嵌によって黒い赤銅の葉をあらわし、加えて金銷しを併用した細かな打ち鏨による軽やかな葉の表現、流れるような筋目の葉の表現が施されている。それぞれが、太陽の強い陽射し、それを受ける葉のきらめきや陰影、やわらかな風に流れるかすかな葉のざわめきを感じさせ、全体としてひとつの情景が醸し出されている。