- 金工
二度挽き尻張釜
- にどびきしりばりがま
- 増山 誠一
- ますやま せいいち
- 第60回日本伝統工芸富山展(令和3年度)
60周年記念賞
- 受賞総評花の蕾(つぼみ)を思わせて、全体に丸味ある形状の優しさを与える品位を漂わせたものである。釜肌は四面に分けて荒縦筋と砂肌を交互に配し、黒い鉄色肌だけでは単調になりがちな所にリズム感をもたせて、見る人、使用する方に楽しさを与えている。環付は釜全体に合わせて素直な形状にし、釜全体が纏(まと)まるようにしている。風炉用の茶の湯釜であるが、初夏から秋にかけて茶室に清らかさと爽やかさを漂わせてくれる良い作品である。
〈重要無形文化財保持者(金工)・(公社)日本工芸会 参与 中川 衛〉