• 漆芸
  • 変塗八角漆箱

  • 新井 吉雄
  • あらいよしお
  • 第22回東海伝統工芸展(平成3年度)
    名古屋市教育委員会賞
  • 受賞総評
    端正な八角形の被蓋の美しい箱です。蓋は甲盛りの中心から四方に向け、中心部分に金粉を、回りに銀粉を蒔き暈し、青い染料で色付けした透き漆で塗り込んでいます。中心部分をつよく、回りの部分を地に溶け込む様に研ぎ出した意匠は、箱の形と良くマッチして効果的です。側面下部には置平目粉の文様を帯状に表現し、全体の雰囲気を引き締めています。
    箱の側面、立ち上がりの部分には、墨流し文様が金の研出蒔絵にて描かれ、蓋を開けた時に柔らかい印象になるように配慮されています。この作品は、作者の長年の研究と、新しい工夫によって創り出された優品といえます。
  1. 公益社団法人 日本工芸会